2026年1月22日~24日島根県有数の観光地を舞台に地域課題を掘り下げ、都市と地方の付き合い方を考える地方創生ビジョン検討会にWork Design Lab代表の石川と理事の工藤が参加いたしました。
都市に人材や資本が一極集中し、地方の衰退が懸念されている現代社会を見つめ直し、都市と地方が共に発展する方法を模索するエコッツェリア協会の地方創生ビジョン検討会。今回は島根県を視察しました。都市部人材として、地域の未来にどのように関わり、どんな価値を共創できるのか。全国的に知られる温泉街や世界遺産の現場を実際に訪れ、地域が抱える課題や今後の展望について意見を交わしました。
最初に訪れた松江市玉湯町の玉造温泉では、多くの自治体が人口減少に直面するなか、玉造温泉を中心とした玉湯町が抱える課題はむしろ人口増加にあることを伺いました。松江市全体では人口減少が進む一方、玉湯町は市内で唯一人口が増加している地域です。この課題を受け、都市部人材の関与が論点となりました。Work Design Labからは、利害関係のない第三者を交えることで議論が深まることもあり、東京を離れることはできないが地域に関わりたいと思っている人材の参画を提案しました。また、関係人口と地域双方に「入る力」「受け入れる力」が必要だとお伝えし、接点づくりやマッチングの重要性を示しました。
2日目には、島根県大田市にある石見銀山世界遺産センターを訪れました。日本で14番目に登録された世界遺産で、来年で登録20年を迎えるそうです。石見銀山遺跡は世界遺産登録後、毎日数千人が訪れオーバーツーリズムとなってしまいました。路線バスを廃止し歩く観光に移行したため観光客は減少しましたが、世界遺産の登録理由の1つに『今も人々が住み続けている』とあり、観光振興と同時に住民の生活を守っていかなければならないということが分かりました。
世界遺産・石見銀山は、観光地でありながら、地域住民の暮らしが息づく場所です。観光と生活のバランスをどう保つかは、全国の地域が抱える共通課題でもあります。
石川は、石見銀山の歴史そのものが都市部の企業や人材を惹きつけると指摘しました。石見銀山には地方創生の未来像となり得る下地があります。銀の生産・製造・流通を通じて、利己ではなく共同体や社会全体に価値をもたらす利他的な理念が培われてきました。この考え方に共鳴する都市部の企業や人は必ずいるはずだということを述べました。
3日目は、島根県出雲市へ移動し出雲神社へ参拝しました。ここでは単に参拝するのではなく、出雲という土地が持つ神話的世界観と人の営みの関係性を身体的に理解する
ために習わしに則った参拝を行いました。
続いて訪れた島根ワイナリーでは、出雲神話の文脈と結びつけながら、国産ぶどうによるワインづくりを軸に、食・体験・物販を統合する地域拠点の在り方を確認しました。
その後、松江市へ移動。城下町の構造を水上から俯瞰できる堀川めぐりや、小泉八雲記念館を通じて、近代以降の文化的蓄積と都市形成の関係性を視察しました。最後は松江城を訪れ、城下町全体を貫く歴史的文脈を改めて確認し、全行程を終えました。神話から近代文学、城下町文化に至るまで、島根が有する「土地に根付いた資産」の厚みを立体的に捉える最終日となりました。
今回の島根視察を通じて、強く感じたのは、都市と地域の関係性がこれから大きく変わるということです。 都市と地域は対立ではなく補完関係にあり、都市には人材・情報が集まり、地域には歴史・文化・自然があります。両者をつなぐことで、新しい価値が生まれると改めて感じました。また、副業・兼業人材は地域にとって大きな可能性も感じました。小さな関わりから始められる仕組みがあれば、都市部人材はもっと地域に入れると思います。今後さらに地域との接点を広げ、働き方・関わり方の多様な可能性を探っていきたいと思います。
【エコッツェリア協会とは】一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会(通称:エコッツェリア協会)は、会社でもない自宅でもない第3の場所として「3×3Lab Future(さんさんラボ フューチャー)」を運営しています。
「経済」「環境」「社会」をテーマに、業種業態の垣根を超えた創造性の高いコミュニティを形成し、サステイナブルな社会の実現に向けてビジネスを創発していきます。
〇エコッツェリア協会に関してはこちら